KOBE C 情報 先月号

KOBE C 情報 先月号

KOBE C 情報 今月の特集(目の不自由な方むけ)

彫刻 屋内(indoors)×屋外(outdoors) の魅力

BBプラザ美術館で7月4日から、植松奎二、JUN TAMBA、榎忠による6年ぶりの彫刻展が開かれる。彫刻のさまざまな可能性を試みた作品が展示され、新たな彫刻の楽しみ方を発見できそうだ。美術館内に展示された彫刻(屋内彫刻)とともに、神戸の街のあちこちで出会える建物の外や野外に展示された彫刻(屋外彫刻)それぞれの魅力を味わってみよう。

 

屋内彫刻の魅力

BBプラザ美術館「拡がる彫刻 熱き男たちによるドローイング」から

限られた空間だからこそ可能な表現や作品の見方ができるのが魅力の屋内彫刻。BBプラザ美術館では、3人の美術家が1カ月ごとに彫刻による独自の空間を披露する。

 

鑑賞のポイント
BBプラザ美術館顧問 坂上義太郎さんに聞きました

 

屋外彫刻を「無限の世界での鑑賞」と表現すると、屋内彫刻は「有限の空間での鑑賞」と表現できます。屋内彫刻の魅力の一つは、作品によって空間の概念が変わる点です。高さのない小さな空間でも、展示した彫刻によって空間の広がりを感じることができますし、見えない空間を体感することができます。想像力が呼び起こされるこの醍醐味を味わってください。

 

見どころピックアップ
視点を変えてもっと深まる彫刻の世界

 

ドローイングによる彫刻
一般に、木や石、金属などに文字や模様を刻んだり像などを立体的に表現したりしたものを彫刻、無彩または淡彩の図画・デッサンをドローイングという。鉛筆を使った植松奎二のこの作品は、十種類以上の濃さの異なる鉛筆を使って塗り重ねた色の層や濃淡、作業時間の積み重なりによって、ドローイングも彫刻になることを示す。
(Ⅰ期:植松奎二展 7月4日[火曜日]~30日[日曜日])

 

空間を彫刻する
限られた空間の中に、無限の世界をつくり出すJUN TAMBAの彫刻作品。彫刻という立体作品によって空間をつくり変える。この作品も、彫刻を配置した空間をカンバスに見立て、彫刻によって不均等で複雑な空間をつくり出している。
(Ⅱ期:JUN TAMBA展 8月4日[金曜日]~27日[日曜日])

 

彫刻で新たな空間を創造する
不必要になった廃材に目を向け、それを用いた彫刻によるインスタレーションを制作する榎忠。「冷たい」というイメージの強い鉄を使い、自然への畏敬の念や精神世界、宇宙空間までも表現できることを示す。
(Ⅲ期:榎忠展 9月3日[日曜日]~28日[木曜日])

 

出展作家 プロフィール・コメント

 

植松 奎二 うえまつ・けいじ
1947年神戸市生まれ。ドイツと日本で活動。四次元世界の構造、重力、見えない力の関係や働きを視覚化することを制作の基盤とする。

―僕達の感覚の根底には無意識のうちに重力感覚がある―。目に見えない重力、引力を目で確かめることのできる場をつくり出し、地球と宇宙、自然と人間の存在に関わる関係を示す様な小さな宇宙空間ができたらいいなと思っています。今は「面白い思考をつくること」に夢中です。

 

JUN TAMBA じゅん・たんば
本名塚脇淳。1952年京都府南丹市生まれ。鉄を素材に構成的抽象彫刻を追求。近年は海外での表現活動が顕著。

鉄を曲げることは大変な作業だとか、そんなところは見てほしくない。ぐるぐる巻きにしただけ、曲げただけと見てもらえるほうが、むしろ私は嬉しい。この展覧会では、等身のスケールにおいて、空間を常に感じながら、鉄を曲げはじめた頃に立ち返ってみようと思う。

 

榎 忠 えのき・ちゅう
1944年香川県善通寺市生まれ。16歳から現在まで神戸市在住。時流に埋もれる事象に目を向け、制作や国内外でのパフォーマンスを行う。

美術と出会い、廃材(スクラップ)と出会い、「剥ぎ、削り、磨き、切り、叩き」作品を作っています。「難しいことをやさしく」「やさしいことを深く」「深いことを面白く」を基本に、唯一表現の自由という芸術の世界で、作品を作り、発表していきたいです。

 

拡がる彫刻
熱き男たちによるドローイング 植松奎二 JUN TAMBA 榎忠

 

期間 7月4日(火曜日)~9月28日(木曜日)
場所 BBプラザ美術館(灘区岩屋中町4-2-7 BBプラザ2F)
料金 【一般】400円【 大学生以下】無料
※缶バッジ型入館フリーパス500円
※7月7日(金曜日)は開館記念日のため入館無料
問い合わせ BBプラザ美術館 電話:078-802-9286

 

関連イベント
「鼎談 拡がる彫刻 植松奎二×JUN TAMBA×榎忠」

期間 7月30日(日曜日) 14時~16時
場所 シマブンホール(BBプラザ4F)
料金 無料(予約不要・定員100人)

 

 

屋外彫刻の魅力

1960年代から街づくりに彫刻を取り入れてきた神戸市。市内の美術館の屋外彫刻はもちろん、街角で自由に鑑賞できる彫刻がたくさんある。彫刻の街・神戸を感じてみよう。

 

鑑賞のポイント
兵庫県立美術館 学芸員の出原均さんに聞きました

 

屋外彫刻の鑑賞が屋内彫刻と大きく異なる点は周囲の環境です。例えば、屋外彫刻は自然の光に照らされるので日によって印象が変わります。晴れの日は影の濃淡がはっきりしますし、金属の硬さもより強く感じることになります。彫刻は全体、正面、後ろ、横と、いろいろな角度から違う見方ができます。自由に鑑賞して、自分なりの発見を楽しんでください。

 

リニューアルしたばかり
兵庫県立美術館王子分館 原田の森ギャラリー

 

テーブルやイスが置かれているギャラリー正面の屋外で、神戸市ゆかりの作家をはじめとした彫刻作品を自由に鑑賞できる。ギャラリーでは7月中も入場無料のさまざまな展示があるので、ぜひ出掛けてみて!

旧兵庫県立近代美術館を活用した、貸しギャラリー。2016年から耐震補強工事を行い、今年4月にリニューアルオープンした。建築家・村野藤吾の設計した建物の良さを残しながら、老朽化した空調・照明設備などを改修。特に2階大展示室は照明設備とともに床・壁面が白色に統一され、「利用者の方から『とても明るくなった』『展示作品が見やすくなった』と好評です」と同ギャラリー業務課長の川島英樹さん。

また、1階ロビーがゆったりとしたスペースに。ほかにも、ピアノが設置されている別館の401号室がフローリングと木張りの空間に変わり、「ミニコンサートなどに活用してほしいですね」と話す。

住所 灘区原田通3-8-30 電話:078-801-1591

 

もっと気軽に
緑の木立が心地良い 「みどりと彫刻のみち」

 

神戸高速鉄道「高速神戸」駅と神戸文化ホール間の道沿いは「みどりと彫刻のみち」として、さまざまな彫刻が展示されている。散歩やお出掛けついでの気軽な鑑賞におすすめ。自分のお気に入りを探しながら歩いてみよう。

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