KOBE C 情報 先月号

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KOBE C 情報 今月の特集(目の不自由な方むけ)

ストリートフォトグラフィーを生んだ男
Robert Frank(ロバート・フランク)
Robert Frank: Books and Films, 1947-2017 in Kobe

  

ロバート・フランク(Robert Frank)
1924年、スイス、チューリヒ生まれ。
20世紀の写真表現を代表する写真家の一人。伝統的な写真術と異なり、直観に基づいて被写体を連続してとらえる独自の手法で、写真というメディアの新たな表現方法を切り拓いた。その作品群は、同世代以降の写真家に多大な影響を与え続けている。ニューヨークとカナダ、ノバスコシア州マブー在住。

日常の一瞬を切り取るという新たな表現方法で写真界に大きな影響を与え、92歳の今も現役の写真家・映画監督として創作を続けるロバート・フランク。何気ない一コマをアートに変えた彼の写真は、インスタグラムなどのSNS(会員制交流サイト)の普及で写真を撮ることが日常的になった現代の原点と言えるだろう。フランクの代表作『The Americans』から最新作、映画までを紹介する展覧会「Robert Frank: Books and Films, 1947-2017 in Kobe」が9月2日からデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で始まる。世界50カ所を巡る同展は、日本では昨年開催した東京と今回の神戸のみ。時代を切り開いた彼の視点をじっくりと確かめたい。

 

ロバート・フランクが映したもの

ロバート・フランクの代表作「The Americans」には、日常の情景の中にアメリカの抱えるさまざまな問題や複雑な状況が写し出されている。人々の人生の一瞬を切り取る彼の手法と視点は、現代の私たちに今なお刺激を与え続けている。「Robert Frank: Books and Films,1947-2017 in Kobe」総合プロデューサーの林寿美さんに彼と彼の作品の魅力を聞いた。
 

現代につながる彼の視点

【日常を芸術に】
特別な出来事や事件ではない、日々のある瞬間を作品にしたフランク。市井の人々を被写体にした写真は、日常の中のドラマや人生の意味などを観る人に伝える。

【ストリートフォトグラフィーの原点】
撮影前に構図を決めず、瞬間瞬間、その場その場でシャッターを切るフランク。画面が傾いていたりピントがぼけていたりする作品もある。その撮影スタイルは、写真を撮る行為を日常化させた。

   

今こそ考えたい彼の視点

【直観のままに撮る】
デジタル機器のない時代に、フランクは瞬間的にシャッターを切り、直観で写真を撮ったといえる。今、私たちの身の回りには写真があふれており、誰もが気軽に写真を撮っている。だが、その視点はどこか画一化しているように感じる。フランクの作品から、流行に流されずに各人にしかない視点で自由に写真を撮ることの素晴らしさ、大きな可能性を感じることができるのではないだろうか。

  

Robert Frank: Books and Films, 1947-2017 in Kobe

期間 9月2日(土曜日)~22日(金曜日) 10時~18時 会期中無休
場所 デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)(中央区小野浜町1-4)
問い合わせ 電話:078-351-3597
料金 無料
主催 公益財団法人神戸市民文化振興財団
           Steidl社
         「Robert Frank: Books and Films, 1947-2017 in Kobe」展実行委員会

併せて鑑賞したい
ドキュメンタリー映画「Don’t Blink ロバート・フランクの写した時代」

大のインタビュー嫌いでもあるロバート・フランクが自らの人生を初めて語ったドキュメンタリー。商業化するアートへの絶望や度重なる不運に見舞われながらも、創作の悦びをみつけ進み続けた彼から次世代へのメッセージとなっている。楽曲提供はローリング・ストーンズやボブ・ディランら豪華な顔ぶれ。
期間 9月16日(土曜日)~10月1日(日曜日)
場所 元町映画館(中央区元町通4-1-12) 電話:078-366-2636
料金 1,700円(一般)

  

ロバート・フランクの魅力伝える展覧会

同展総合プロデューサー 林寿美
今回の展覧会のみどころは、なんと言っても巨匠ロバート・フランクの初期作品から最新作までが、一挙にまとめて見られるという点です。オリジナル・プリントではほぼ100%不可能な企画ですが、新聞用紙に高画質のイメージを刷り出すという大胆なアイデアによって初めて実現するものでしょう。さらには、展覧会の終了後に展示作品は全て破棄されるという潔さ。フランク作品に特有の“束の間の美しさ” にふさわしいエンディングになると思います。

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