KOBE C 情報 先月号

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KOBE C 情報 今月の特集(目の不自由な方むけ)

絵画で知る
羅漢(らかん)さん

 

石像の五百羅漢でも知られる、仏教の修行によって最高段階に達した人々「羅漢」。日本には8世紀に伝わり、鎌倉時代をピークに絵画や彫刻が盛んに作られ信仰されてきた。東洋の古美術品を収蔵する香雪美術館では5月18日から、羅漢をテーマにした初のコレクション展を開催する。今回、展示されるのは全て絵画作品。羅漢を描いた絵画(羅漢図)を通して新しい発見を楽しもう!

香雪美術館の
羅漢図から広がる世界

朝日新聞社の創業者、村山龍平が収集したコレクションを収蔵する香雪美術館。今回展示するのは2セットの羅漢図で、全32作品を展示するのは初めて。香雪美術館学芸員の郷司泰仁さんに聞いた羅漢図の注目点も参考に作品の細部まで目をこらしてみると、様々な発見があるはず!

 

羅漢とは

 

「阿羅漢」ともいい、修行によって仏教の最高段階に達し、悟りを開いた人のことを指す。古代インドの文語であったサンスクリット語のarhan(アルハン)に由来する。絵画のほか木造の彫像や石像で現わされてきた。『西遊記』の主人公の一人である唐の僧、玄奘三蔵が経典に記した16人の羅漢「十六羅漢」をモデルにすることが多い。五百羅漢で知られる石像で造られた羅漢像は比較的新しい時代のものが多い。

Point1 「十六羅漢図」A本のうち 尊者16
14世紀、南北朝から室町時代に日本で描かれた作品。観音や阿弥陀等を描く仏教美術には持ち物や容姿等に決まりがあるが、羅漢図は自由に表現されている。そのため、描かれた従者や背景、人物の持ち物、法衣の模様等が多彩!この絵のように仏具の磬子(大型の鉢形の鳴物)が描かれた羅漢図は珍しいそう。

Point2 「十六羅漢図」B本のうち 尊者5
この作品は、中国の羅漢図を基に江戸時代の終わりに描かれたもの。絵の中心に大きく描かれている羅漢は風貌からインドの人、横の従者は中国の人と考えられる。日本で好んで描かれた作風で、鎌倉時代、南北朝時代にも同様の中国の作品を基にしたと考えられる作品が残っている。

伝楊茂「山水人物図堆朱香合」
展示作品に描かれている工芸品も登場。これは、14~15世紀に中国で作られた、手のひらサイズの漆塗のお香入れ。

 

学芸員 郷司泰仁さん
8世紀、日本に伝わった羅漢は、深く信仰されてきました。京都・高山寺を開山した鎌倉時代の僧、明恵は、釈迦への思慕の念から羅漢に強くあこがれ、羅漢を讃える書物を著しました。僧たちにとって羅漢さんはより身近な存在だったのかもしれません。
作品を細部まで見てみると、グラデーションを使って空間が表現されたり、羅漢の衣に細かく文様が描かれたりしています。じっくりと鑑賞を楽しんでください。

 

羅漢さん
仏教を護(まも)る聖者たち

 

日時:~7月15日(月曜日・祝日)
休館:月曜  ※7月15日は開館
場所:香雪美術館(東灘区御影郡家2-12-1)
料金:一般700円、高校・大学生450円、中学生以下無料
お問い合わせ:同館 電話:078-841-0652

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