KOBE C 情報 今月号

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KOBE C 情報 今月の特集(目の不自由な方むけ)

アカデミー・バーの壁画を書いた作家たち

昨年2月、大正時代に創業した老舗バー「アカデミー・バー」が95年の歴史を終えた。神戸で最古といわれ、当時灘区にあった関西学院前で開業。戦後まもなく、三宮に移転した。戦前は文豪谷崎潤一郎や詩人佐藤春夫らが常連だったといわれ、戦後も陳舜臣、司馬遼太郎らが顔を見せたという。文化人の交流の場であった店には神戸ゆかりの芸術家が寄せ描きした壁画があった。1950年頃から順次訪れた画家たちが絵を残したといわれ、今となっては神戸の文化史を伝える貴重な遺産だ。店の立ち退き・解体に伴い、壁画は神戸市に寄贈。保存修復作業を終え、今年3月から一般にも公開されている。「神戸ゆかりの美術館」では、この壁画を描いた作家たちをテーマにした展覧会を開催。神戸の貴重な文化遺産をこの機会に鑑賞してみよう。

 

企画展アカデミー・バーの壁画を描いた作家たち

「アカデミー・バー」壁画をはじめ壁画を描いた小磯良平、小松益喜などの作家たちの1950年~60年代ごろの作品を一堂に集めた展覧会。4月22日、5月6日、20日、6月3日、17日の土曜日13時30分から学芸員と作品を鑑賞するギャラリーツアーも開催する。

期間:4月8日(土曜日)~6月25日(日曜日) ※月曜日休館
場所:神戸ゆかりの美術館(東灘区向洋町中2-9-1)
入館料:一般200円、高校生以下・65歳以上100円
お問い合わせ:神戸ゆかりの美術館 電話:078-858-1520

①小磯良平(こいそりょうへい)/1903-88・洋画家
現在の神戸市中央区中山手通に生まれ、生涯を通じて神戸を制作の拠点とした日本洋画壇の巨匠。東京美術学校を首席で卒業した後、兵庫県立第二神戸中学校の同級で生涯の親友だった竹中郁とヨーロッパに渡り、西洋絵画の薫陶を受ける。清楚な女性像に代表される肖像画を数多く手がけた。

②田村幸之助(たむらこうのすけ)/1903-86・洋画家

③小松益喜(こまつますき)/1904-2002・洋画家
高知県生まれ。東京美術学校を卒業後、一度郷里に戻り、再度上京する際に立ち寄った神戸の町並みに魅了され、異人館街や旧居留地界隈を描き続けた作家。ユトリロに影響を受けたという作品は、戦前戦後の神戸の街並みを詩的に描き出している。

④竹中郁(たけなかいく)/1904-82・詩人
神戸市兵庫区出身で、兵庫県立第二神戸中学校、関西学院大学文学部英文学科卒。中学時代から北原白秋に傾倒し、白秋主宰の雑誌で詩人として活動する。戦後は詩作のほかに雑誌『きりん』の創刊編集なども行った。小磯良平は二中の同級生。

⑤伊藤継郎(いとうつぐろう)/1907-94・洋画家
大阪生まれ。松原三五郎主催の天彩画塾、赤松麟作主催の赤松洋画塾などを経て作家活動を行う。戦後は芦屋市美術協会の創立に参加。芦屋のアトリエで研究会を開き、小磯良平、上村松篁(しょうこう)、具体美術協会メンバーと交流を深めた。シックな色調の落ち着いた絵が特徴的。

⑥坂本益夫(さかもとますお)/1907-93・洋画家
神戸市生まれ。1926年から川端画学校に学び、後に東郷青児に師事。戦後は二紀会の設立に参加、同会を中心に出品を続けると共に、二紀会委員、理事、評議員を歴任した。1955年に渡欧し、ヨーロッパの街角の絵をたくさん描いた。
⑦津高和一(つたかわいち)/1911-95・洋画家

⑧中村真(なかむらしん)/1914-69・芸術家

⑨伊川寛(いかわかん)/1908-88・洋画家

⑩小出卓二(こいでたくじ)/1903-78・洋画家

⑪伊藤慶之助(いとうけいのすけ)/1897-1984・洋画家

⑫榎倉省吾(えのくらしょうご)/1901-77・洋画家

⑬井上覚造(いのうえかくぞう)/1905-80・洋画家

⑭松岡寛一(まつおかかんいち)/1912-82・洋画家
神戸市生まれ。兵庫県立明石中学校(現県立明石高等学校)を卒業。大阪朝日新聞社を経て宝塚歌劇団に勤務。1939年報道班員として大陸へ派遣された。会派に属さず個展を中心に活躍した。

⑮中村百合子(なかむらゆりこ)/1932-2000・洋画家

⑯松村小琴(まつむらしょうきん)/1911-62・日本画家

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