KOBE C 情報 先月号

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KOBE C 情報 今月の特集(目の不自由な方むけ)

なぜ怖い?
恐怖がテーマの絵画と版画

怖いのに目が離せない、怖さを感じることで増す魅力…。
兵庫県立美術館の「怖い絵」展は、ヨーロッパ各国で描かれた“恐怖”をテーマにした作品を展示する。怖さの背景を読み解くことによって広がる、新しい鑑賞の世界に出かけよう。

 

絵画・版画の中の恐怖

展示されるのは、恐怖を直に表現した作品から、歴史的な背景や描かれた状況を知ることで怖さを感じる作品まで約80点。「恐怖」を切り口に、緊迫感や不安、悲しみなど、それぞれの作品の世界に浸ってみよう。

 

兵庫県立美術館 学芸員
岡本 弘毅さんの解説とともに

作品に込められた恐怖、描き出された恐怖をみつけてみよう。

いろいろなタイプの怖さが読み取れる作品を集めました。「恐怖」という感情を、美術作品が持つ物語や表現方法を感じとるための手がかりにして、美術鑑賞をより楽しんでほしいですね。

 

ポール・ドラローシュ《レディ・ジェーン・グレイの処刑》
1833年 油彩・カンヴァス ロンドン・ナショナル・ギャラリー
作品中央でひざまずく少女は、王位継承の争いに巻き込まれ1554年に16歳で処刑されたジェーン・グレイ。わずか9日間だけ女王だった彼女の悲劇的な最期の時が、臨場感を持って描かれています。ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵で、今展覧会の注目作です。

●鑑賞アドバイス
作品は2.5m×3mの大作。斧を持つ処刑人や侍女ら、ジェーンの周囲の登場人物にも注目を。

 

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《ドルバダーン城》
1800年 油彩・カンヴァス ロイヤル・アカデミー
ごつごつとした岩肌の山の上にたたずむドルバダーン城には、かつて弟との権力争いに敗れた王族の男が約20年幽閉されていたといわれています。ターナーがこの作品で描くのは、18世紀以降広まった暗鬱で荒々しく茫漠とした「崇高の美学」を反映した風景です。そこには、不安や恐怖も暗示的に表現されています。

●鑑賞アドバイス
一見すると静かな風景だが、城や雲、山、手前に描かれた人物が見る人に不穏な気持ちを感じさせる。

 

ウィリアム・ホガース『ビール街とジン横丁』より《ジン横丁》
1750-51年 エッチング、エングレーヴィング・紙 郡山市立美術館
質の悪い安酒のジンが出回っていた、18世紀半ばのロンドンが舞台の版画。泥酔した母親のそばで階段から落ちそうな子ども、うつろな表情の男など、ジンを飲んで死に至る貧しい人々の悲惨な生活が表現されています。現実に潜む不条理や死の恐怖が浮かび上がってきます。

●鑑賞アドバイス
手前の人物だけでなく、奥に描かれた登場人物それぞれからも当時の様子がうかがえる。

 

「怖い絵」展

神話、怪物、異界、現実、風景、歴史で作品を章分け。モローやセザンヌなど著名な画家の作品も展示される。

●期間  7月22日(土曜日)~9月18日(月曜日・祝日)
●休館日 月曜 ※9月18日(月曜日・祝日)は開館
●料金  一般1,400円、大学生1,000円、70歳以上700円

兵庫県立美術館
中央区脇浜海岸通1-1-1 電話:078-262-0901

関連イベント

記念講演会
(講師:中野京子/『怖い絵』著者)
●日時 8月20日(日曜日)14時~
●場所 同館ミュージアムホール(定員250名)
●料金 無料(要観覧券・整理券)

学芸員による解説会
●日時 8月5日(土曜日)、9月2日(土曜日)・16日(土曜日) 各日16時~
●場所 同館レクチャールーム(定員100名)
●料金 無料

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