北神区民センター

  • 神戸市民文化振興財団 公式Facebook
  • 市民の第九2017 公式Facebook
  • 施設情報・空室情報

    ◆広告

    バナー広告のご案内

    演出家 森田雄三の 『日々の暮らしに忙しい人たちin神戸』 ワークショップと発表会を開催しました。(報告)

    更新日:2013/8/15(木)

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    日程:2013/07/29~2013/08/04  ※終了しました

    会場:北神区民センター

     

     

     

    ワークショップ & 発表会 成功裏に終了しました。        

    平成25年7月29日(月)から8月2日(金)の5日間のワークショップで作り上げたお芝居を、8月3日(土)と4日(日)の2日間、発表会として公演しました。

    この取組みは昨年スタートし、今年で2回目となりました。普段、演劇経験はもちろん、興味さえない、という方こそ、ぜひ参加してください、という形で募集し、集まったさまざまな参加者。特に自己紹介もなく、円形に椅子を並べて、いきなりスタート。森田さんから投げられるキーワードに対して、それぞれが自分の言葉で語りだすことから始まったワークショップ。その集大成であるこの発表会は、おかげさまをもちまして、とても素敵な舞台となりました。

    ご参加いただきました皆さま、ご来場いただきました皆さま、どうもありがとうございました。

     

    発表会 1日目                                                      

    ワークショップの始まりの頃は、もじもじと恥ずかしがったり、何を話していいのか分からず混乱したり、戸惑いながら参加していた皆さんでしたが、みるみるうちに活き活きと、それぞれの記憶の糸をたぐりよせ、発表会では自分の言葉で語り、決して特別ではないフツーの日々の暮らしの中の一コマを、魅力たっぷりに演じました。

     

    この日の発表会は午後5時の開演でしたが、演出家・出演者は朝10時に集合し、最後の稽古。ここで、この日の内容・構成を完成させました。

     

    「ばあちゃん!よそで人の悪口をべらべら話すのやめて!」猛烈な勢いで怒っているけれど、その姿が何とも愛らしい女性。娘に散々怒鳴られていても、とぼけた表情でひらりとかわす老婆。

    別れを切り出そうとしている夫の気配を察しながらも、不器用に明るく振舞うことしかできない女性。

    勢いよく子供を叱りつけたものの、娘の猛反撃にあい言葉を詰まらせ、何も言えなくなる母。叱りつけるつもりが、息子にかける言葉が見つからず、「ごめんね、お母さんが悪かった」と謝ってしまう母。

    黙り込んだ相手の沈黙に不安になり、弾丸トークの末、自分の欠点をどんどん暴露してしまう人、そしてその姿の愛しさ。

    自己主張のない夫に対して、「どうでもエエやん」と思わずツッコミたくなるようなことを必死でこだわる妻。「なんでもいいんですよ。あなたが心から食べたいものは何ですか?」

    そしてこちらも「どうでもエエやん」な原因に始まる夫婦喧嘩、そしてたいした解決もなく、おとずれる仲直り。

    訳ありな娘を横目で心配しながらも、娘に悟られないように何気なさを装いながら、明るい会話を必死で続ける夫婦。

    登場人物は、決して「いいところ」「褒められるべき点」「素晴らしい立派な姿」を表現しません。どちらかというと、それぞれの抱える欠点や、悩み、満たされない気持ち、いらだちなど、普段のフツーの暮らしのなかで誰もが感じたことがあるけれど、特に取りざたされないような感情・感覚、そんな小さな心の動きと何気ない瞬間を丁寧に切り取り、とても愛しい人たちの物語が、紡がれました。

     

    今回のこの演劇ワークショップでうまれたテーマは「街・家族」。この地、北神地域ならではの空気感を大切にしながら、それぞれ家族の普通の日常から、温かい風景を生み出しました。

    物語の最後は、自分たちのこの街を、もっと良くしていくにはどうしたら良いのか。町内会議の末、市議会に立候補することに決定し、街の人たちで盛り上げました。

     

     

    発表会 2日目                                                      

    2日目の舞台を迎えました。この日も朝10時に集合し、最終稽古。この日に集まったメンバーに合わせて、この日の舞台の内容・構成が出来上がっていきます。

     

    1日目と同じ設定・同じ組み合わせで登場した出演者たちも、なにやら昨日とは違う展開になっていくものも。昨日は出なかったセリフが飛び出したりして、舞台とは「生もの」なのだと実感した舞台でした。

    昨日は娘の反撃に何も言えなくなった母が、この日は娘の反撃に立ち向かい、舞台上でバトルとなりました。練習を重ねた言い合いシーンではなく、これはここで生まれたもの。なまなましく緊張感が走りました。

    「ほんま暑いなぁ」をはさみながら、弾丸トークを繰り広げる母と、ゲームに意識を集中しながら、とりあえずうなずいている息子。そうそう、お母ちゃんって、こんな感じやったな、と思わずくすっと笑ってしまいます。

    昨日は娘にさんざん叱られていた老婆、今日は会話がぐいぐい老婆のペースにはまり、最後には娘の幼少期の思い出を語り、ふたりで笑いあいます。

    町内集会も、昨日とは少し違った雰囲気で進みました。

    昨日に引き続き、「あなたの食べたいものは、何ですか」と責める妻に、最終的な夫の結論は・・・。まさかの昨日とは違う展開となりました。

    1日目にはなかった新しいシーンもいくつか生まれました。デリカシーなく質問攻めにする母に、デートの内容を細かく報告する息子。新しいお父さんに向かって「お父さん」と言えずに照れくささがあふれる少女。出て行った父と、久しぶりに再会したと報告する息子に、餃子は冷凍か冷蔵かという話をし続ける母。

    成り立たないような会話が不思議に成り立つ、家族独特の空気。

    2日目もキャストを変えて、「どうでもエエやん」な原因の夫婦喧嘩が始まり、また喧嘩しながら自然と普通の会話に戻っていく、こちらも家族ならではの空気感。

     

    普段の何気ない日常は、映画やドラマのような急展開の連続ではなく、こんな風に「どうでもエエやん」なことを話していたり、他の人にはあらためて話すのはちょっと恥ずかしいような、小さなことで溢れているのだな、と、そんなことに気付かせてくれるような、温かい愛しい物語となりました。

    2日目の舞台も「ひとりカラオケボックス」に人が溢れるシーンを経て、選挙で皆でバンザイしました。

    1日目とキャストも違い、物語も違い、展開も変わりましたが、大きなテーマは変わらず、「愛する街」「家族の何気ない日々」を丁寧に切り取り、心温まる物語に仕上がっていたと思います。

     

    演出家 森田 雄三                                                      

    今回のこのワークショップの指導と、発表会の演出をしていただいたのは、演出家の

    森田雄三さんです。

    森田さんは、俳優のイッセー尾形さんとともに、これまでにドラマや舞台に取り上げられなかった「地味な人」を描いて、お手本のない演劇を作ってこられました。そして、その延長で、演劇に縁がなかった「日々の暮らしに忙しい人たち」とともに、既存の演劇にはないスタイルを模索しながら、現代社会における演劇の可能性を探り続けていらっしゃいます。

     

    来年度も、森田 雄三さんを迎えて、このワークショップ&発表会を北神区民センターにて開催する予定をしております。

    また詳細は決定次第、こちらのホームページや財団のフェイスブック等で発信していきますので、ご期待ください!


    ページの先頭へ戻る