神戸市混声合唱団 春の定期演奏会 神戸が生んだ幻の天才作曲家「大澤壽人」合唱曲作品集 |
神戸生まれの作曲家・指揮者、大澤壽人(おおさわ・ひさと、1906-53)は、戦前に留学先のボストンとパリで活躍。1933年に日本人として初めてボストン交響楽団を指揮、35年にはパリ楽壇デビューで称賛され、華麗なキャリアを築いた。
1936年に帰国した後は神戸女学院の教壇に立ちつつ、戦中・戦後にわたって日本の音楽文化向上のために貢献。総数1000に近い作曲・編曲作品を遺したが、47歳で急逝したため近年まで幻の存在であった。
神戸市混声合唱団春の定期演奏会は、郷土が誇るこの天才作曲家の合唱作品を紹介する。第Ⅰ部《ABCホームソング集》は1952-53年に作曲。大澤が音楽総監督の立場にあった朝日放送でのレギュラー番組「ホームソング」で放送された数々の歌は、65年近くも前に作曲されたとは思えないおしゃれな味わい。その中から「四季」を追い、「ジャンル」をめぐって、遺作《木の下のワルツ》に至る14曲を歌う。
第Ⅱ部《たぬき》は1941年の作品で、実に77年ぶりの復活演奏となる。サトウ・ハチローの詩によるユーモラスな作品は、戦時下で演奏会開催が 困難だったため、放送劇として発表された。今回は原曲のオーケストラ版から編曲されたピアノ伴奏版で、演奏会形式による世界初演である。
大澤の交響作品CDは「2004年度文化庁芸術祭レコード部門最優秀賞」を受賞し、平成の復活劇を引き起こした。春の定期演奏会は、演奏会用大作だけではなく、「親しみやすい良質の音楽」を目指した大澤の一面に光を当てる。
早稲田大学理工学部電子通信学科、および桐朋学園大学演奏学科を卒業。マスタープレイヤーズ指揮者コンクール優勝ほか、数多くのコンクールにて入賞。
これまでにハンガリー響、N響等内外のオーケストラを指揮し高い評価を得ている。また07年にはアルゲリッチの要請により、イタリア/コルティナにてパドヴァ室内管弦楽団と共演し国際的に活躍。11年以降は国内オーケストラの定期演奏会にて、日本人作曲家の作品を取り上げ高い評価を博す。
2015年、兵庫県功労者表彰(文化功労)受賞。
2000-07年NHK交響楽団アシスタントコンダクター
2010年より兵庫芸術文化センター管弦楽団レジデント・コンダクター
神戸市混声合唱団 ~Kobe City Philharmonic Chorus~
1989年に神戸市により設立された日本を代表するプロフェッショナルの合唱団。
神戸を拠点に童謡・唱歌、日本歌曲、外国歌曲、オペラ、シャンソンまで豊富なレパートリーをもち、市民に身近な合唱団として親しまれ「音楽のまち神戸」推進に大きな役割を果たしている。2005年には、ウラディーミル・アシュケナージ指揮、NHK交響楽団と「レクイエム」(阪神・ 淡路大震災10年)を共演。2010年、合唱の国ラトヴィア(リガ市)で世界的に有名な室内合唱団「アヴェ・ソル」とジョイントコンサートを行い、姉妹合唱団協定を締結。2013年7月、リガ市からの招聘により、ユネスコ無形文化遺産であるラトヴィア「歌と踊りの祭典」に出演。また、2011年に初のCD、特別演奏会「宇野功芳 叙情の世界」を、2012年には 第2弾CD「宇野功芳 叙情の世界2」をリリースし、レコード芸術特選盤などに選出される。
澄みきった密度の高い合唱は、美しい神戸ハーモニーとして高い評価を得ている。
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