【主催公演】『流々転々 KOBE 1942-1946』アフタートークレポート公開(2026年2月14日-15日)
神戸文化ホール開館50周年記念事業 Creating in Kobe 神戸で創る「人間讃歌」
『流々転々 KOBE 1942-1946』
アフタートークレポート公開!
神戸文化ホール開館50周年記念シリーズのフィナーレを飾る『流々転々 KOBE 1942-1946』。
多くのお客さまにご来場いただき、盛況のうちに終了しました。
この度、2月14日・15日の終演後に実施したアフタートークの模様をお伝えします。
当日は客席からの質問も交えながら、創作の背景や神戸で創ることの意味について率直な言葉が交わされました。
(舞台写真撮影:井上嘉和)
2月14日(土)17:00公演 アフタートーク
登壇:小野寺修二(演出)/鈴木浩介(出演)/美弥るりか(出演)
司会:岡野亜紀子(神戸文化ホールプロデューサー)


初日を終えて、今のお気持ちは?
鈴木浩介
「無事に最後まで行けました。本当に稽古が短かったんですよ。みんなで必死にここまで、短期間でやってきて、ドキドキでしたね。」
美弥るりか
「本当にギリギリまで、初日の本番直前まで、たくさんのこだわりを持って、小野寺さんはじめ皆さまと共に、より良い作品になるようにという気持ちでやってきました。こうして幕が開いて、何よりお客様が観てくださって、最後にあんなに温かい拍手を送ってくださったこと、そして神戸でできたということにもすごく大きな意味があるなと思って、今すごく胸がいっぱいです。」
稽古期間が分かれていた今回の創作について
小野寺修二
「ギリギリって言われると、ちょっと今、心がしびれますけど(笑)。お二人が東京で稽古をしたあとに、神戸では関西組のキャストの稽古をしていたので、そんなにギリギリじゃないですよ(笑)。ただ、お二人と関西のキャストは一緒にやれていない時間が多かったので、そこに関してはこのお二人が一番緊張されたし、一番苦労されたと思います。とはいえ、先に神戸で稽古を進めていたメンバーは、お二人が来るまでは本当に待ち遠しくて。お二人が合流してから、刺激をもらえることがいっぱいあって、あともう一か月ぐらい稽古したんじゃないか、というぐらい濃かったです。」
今回の演出で大切にしたことは?
小野寺修二
「原作が、きっちり物語を踏んでいくお話ではないので。新聞の読み物が十編、二十編並んでいるような小説なんです。そこを感じていただきたいというのもあって、あえて分かりやすくするんじゃなくて、いろんなところで仕掛けをやってみようと、みんなと話をしながら創ってきました。」
舞台ならではの魅力とは?
鈴木浩介
「映画やドラマもそれぞれ良さはあると思うんですけど、舞台でしかできない創造の世界があります。生身の人間がその舞台上で生きている姿を見ていただくのが、醍醐味だと思います。今日は演じながら、もしかしたら皆さんの頭の中でハテナが飛び交っているかもしれないなと思っていました。でも、家に帰ってから“あれ何だったんだろう”とか、ご飯を食べながら話していただくのも、舞台の楽しみ方の一つだと思います。」
神戸で創ることについて
美弥るりか
「神戸の地でお稽古できたことは、すごく大きな意味がありました。東京で稽古して初日だけ神戸に来るのとは全然違うと思いました。毎日トアロードを歩きながら劇場に通っていましたが、その日々が、板の上に立つ今の気持ちに確実につながっていると感じています。」
小野寺修二
「神戸を見せたいというお話をいただいた時、果たして僕でいいのかなとまず思いました。僕は東京に住んでいるので、あらためて神戸の場所や、今どういうことが起きているのか、昔どういうことがあったのか、できるだけ神戸に足を運んで、その場に入ってみることを大事にしました。昔、新開地に初めて行った時には、神戸って“おしゃれな港町”というイメージが強かったんですが、人間臭い方がたくさんいて、いろんな側面がある街なんだと。僕は表しか見ていなかったんだなと思いました。」
明日の公演に向けて
鈴木浩介
「舞台って、初日に見たものと、中日に見たものと、楽日に見たものが全然違うのが魅力です。こんなに短い期間でその変化を見られるのは、なかなかレアだと思います。まだゴールは見えていません。本当にそこに向かって進み続けたいと思っています。」
美弥るりか
「今日しかご覧にならない方もいらっしゃるかもしれませんが、もしハテナをお持ち帰りいただいたなら、ぜひもう一度確認していただけたら嬉しいです。明日の千秋楽まで、一瞬一瞬を大切に、神戸への思いも込めて頑張りたいと思います。」
小野寺修二
「本当にありがとうございました!」
2月15日(日)17:30公演 アフタートーク
登壇:小野寺修二(演出)/山口茜(上演台本)
司会:岡野亜紀子(神戸文化ホールプロデューサー)

千秋楽を終えて、今のお気持ちは?
小野寺修二
「普段はパントマイムを軸に、言葉を使わず身体で表現することが多いんですが、今回は原作と山口さんのテキストがあって、それを形にする作業でした。東京ではない場所に滞在して、違う空気や環境の中で、鈴木浩介さん、美弥るりかさん、10人のキャスト、そして神戸大学の皆さんと一緒に創ることができて、とても嬉しかったです。」
山口茜
「900席のこの空間を今、味わっていました。1973年に建てられたこのホールが、ここまで地域の文化を支えてきたことに、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。」
神戸に滞在しての創作はいかがでしたか?
小野寺修二
「滞在はすごく楽しかったです。人工的なものと自然が同時にある街。“人は変わっても自然は残る”というテーマとも重なる風景がありました。プロデューサーの岡野さんがよく『絶対、神戸は負けない』とおっしゃっていて。大阪とも京都とも違う神戸をやりたい、と。港町で、いろんなものが入ってきて、また揺れながら立ち上がってきた街なんだと聞いて、その強さを感じました。背中を押してもらった気がします。」
取材や街歩きで印象に残っていることは?
山口茜
「取材の時に、岡野さんが何度も“フロイド・リーブ”とおっしゃっていて、私も小野寺さんも何のことか分からなかったんです。岡野さんは“日本人なら全員知っている”という確信で話されていて(笑)。その姿に、主張しないけれど揺るがない神戸愛、神戸人の誇りを感じました。あの体験はきっと忘れないと思います。」
小野寺修二
「街を歩いていると、原作と同じような状況があるんです。“あの人、マジットやれるんじゃない?”とか、台湾の方がいたら“この役にぴったりだ”とか。歩くだけで物語と現実が重なっていく感覚があって、本当に楽しかったです。」
― 客席からの質疑応答 ―
舞台上の動きが印象的でした。どのようなコンセプトで作られているのでしょうか?
小野寺修二
「僕は振付家ではないので、まず仕草や質感の話をして、出演者に作ってもらいます。例えば“汽車”というテーマで、スピード感や移動する感覚をみんなで作り、それをつなげていく。全部に意味はありますが、すべてを理解してほしいとは思っていません。どこを見るかはお客さまの自由。“難しい”と“なんだろう”のぎりぎりのところを創りたいといつも思っています。」
主人公の“男”の隠し子はその後どうなったのでしょうか?
山口茜
「三鬼は戦後、絹代さん(本名はきく枝さん)と息子さんを神戸に呼び寄せ、三人で家族として暮らしていたようです。生活の中で、三鬼の息子に対するDVが酷くて困ったという絹代さんの寄稿を読んだことがあります。ところで今日皆さん、お芝居どうだったでしょうか。いわゆるわかりやすいお芝居ではなかったと思うのですが、人はどうしても、混沌に耐えられず、答えを探したくなる。けれどもたまにはこういった常識やルールを破るような作品をご覧いただいて、これからの混沌とした時代を生き抜く力を養っていただければと思っています」





公演概要
神戸文化ホール 開館50周年記念事業 Creating in Kobe 神戸で創る「人間讃歌」
『流々転々 KOBE 1942-1946』
原 作:西東三鬼『神戸・続神戸』(新潮文庫刊)
演 出:小野寺修二(カンパニーデラシネラ)
上演台本:山口茜(サファリ・P/トリコ・A)
出 演:鈴木浩介/美弥るりか
大西彩瑛/小倉笑/高阪勝之(男肉 du Soleil)/中村るみ/布目慶太(幻灯劇場)
藤原大介(劇団飛び道具)/まえかつと(コトリ会議)/峯素子(街の劇)
村角ダイチ(THE ROB CARLTON)/保井岳太/小野寺修二
岩佐夕佳/坂口麗美/髙倉向日葵/中山心結/松岡(初田)響子/村瀬瑠美
【日程】 2026年2月14日(土)17:00★・15日(日)11:30/15:30★ 全3公演 (開場は開演の30分前)
★=アフタートークあり
★14日(土)17:00 小野寺修二/鈴木浩介/美弥るりか
★15日(日)15:30 小野寺修二/山口茜
【会場】 神戸文化ホール 中ホール (兵庫県神戸市中央区楠町4丁目2−2)
その他、詳細は公演情報ページへ
https://www.kobe-bunka.jp/hall/schedule/event/theater/15434/






