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葺合文化センター

2021.03.19

『春季ふきあい美術展』特別展示「ふきあいの民話」制作インタビューを大公開!

春らしいうららかな陽気が続きますね。桜の開花が待ち遠しい季節です。

 

さて、春といえば!
葺合文化センターでは、3/21~3/24まで、「春季ふきあい美術展」を開催します。 

今回の美術展では、講座作品の他、葺合地区に伝わる民話「ふきあいの民話」の貴重な原画を展示します。

さらに、今回の展示にあわせて、葺合市場商店街連絡協議会会長の桑山鉄男さんに民話制作についてお話を伺うことができました。
桑山さんは、葺合の民話の掘り起こしと創作を通じて、地域の人たちとのこころの交流を目指す活動をしておられます。

快く取材に応じてくださった桑山さんのお話を、美術展開催に先駆け、特別に大公開しちゃいます!!

 

ふきあいの民話は全部で10話。それぞれの話に登場する主人公の動物やキャラクターたちは、愛らしい姿になって、葺合商店街のあちこちに身を潜めています。
葺合文化センターで原画をご覧になった後は、ぜひ商店街へ彼らを探しに行ってみてくださいね(^^)

 

 

インタビュー:

桑山 鉄男 葺合市場商店街連絡協議会 会長

  

|今作らんかったら、昔話にならへん

 

 ――「ふきあいの民話」を制作するに至ったきっかけは?

 

もともとは、震災復興のため。当時、助成金事業の募集があって、コンペにプレゼンテーターとして参加したんや。そこで「民話を作りたい」と訴えました。

 

どんな民話かと聞かれて、僕が作ったと言うと、「なんや、作りもんかいな」って最初はみんなに言われて。

 

だから、こう言うてみたんや。「花咲かじいさんの木ってどこにあるんでしょうか。金太郎ってどこの子ですかね。竜宮城っていまだに見つかりませんね・・・」って。そしたら、「そんなん当たり前や、昔からの作り話なんやから」って言うねん。

「あ、これはおれが勝てるぞ」と思ってな。

 

10年で一昔、20年したら昔々。今は流行の移り変わりが早いから、3年もたったらもう昔の話。6年たったら昔々や。

 

昔からのおとぎ話も、もともとは創作でしょ。僕の作った話だって、猫も犬もしゃべる、狸なんて芝居までする、そんなの現実ではありえへん。けど、今作らんかったら、後々に昔話にならへん。

 

きっと6年たったら、葺合の民話として定着する。そうしたら、葺合の活性に繋がるはずや。今作らんかったら、何も始まらへん。そう思って取り組みました。

 

――制作過程での工夫や苦労があれば教えてください。

 

工夫したのは、実在する旧跡や地名を登場させて、親しみを感じてもらえるようにしたこと。

 

僕はこの民話を読んで、大人は大人なりになるほど、と思ってもらえるように、子どもは子どもなりに何かしら考えるきっかけにしてもらえるような内容にすることを心がけています。

 

例えば、「ロダンの狸」は、僕が一番最初に作った話で、自分の生き方のポリシー「為せば成る」という思いを盛り込みました。

 

子どもたちに読み聞かせる時には、「面白いだけじゃない、何でも簡単には成すことができへん、必死にならんと一人前になられへん」そういうことを伝えようと。

 

 

|葺合を次世代に残る「ふるさと」に

 
――桑山さんにとって、この民話はどのような存在でしょうか。

 

都会の街並みって次々に変わってしまうでしょ。今の子どもたちが成長して、将来、もし地元を離れた時、子供の頃と違うまちの風景を寂しいなって思うかもしれへん。

 

でも、こういう民話があれば、子供の頃そういえば地元の葺合に狸の話があったな、狐の話があったなと思い出すきっかけにはなると思います。

 

今の世代から、次の世代に、「葺合のまちにはこんな言い伝えがあってね・・」って、語り継がれるかもしれへん。そうなると、その人たちにとっては、ここが「ふるさと」になるんとちゃうかな。

 

ちょっとしたことやけど、ふるさとという存在は、その人の心に影響を及ぼすと僕は思う。ふるさとに思いを馳せることは、きっと安らぎにもなる。だから、地域の民話を作るってええなって、ずっと思っていました。

 

 

――民話を通して伝えたいことは?

 

この民話が、子どもたちの教育の役に立つようなものであって欲しいと思っています。

 

子どもたちの教育に役立つというスタンスは、商店街で取り組んでいるイベントの「秋華祭」でも意識していることやけど。秋華祭における僕の信念は、「立派なステージを用意してあげること」。それが大人の役割やと思っています。

 

例えばステージに出演する中学生のブラバン。立派なステージがあれば、子どもたちはそれに引けをとらないパフォーマンスをしたいと自ずと思います。すると必死に頑張るでしょ。

 

プロにはなられへんかもしれん、でも趣味にはするかもしれない。その必死になった過程は、自分の自信や癒しに繋がるやろうし、今後の人生に良い影響を与えるはずやと思います。

 

民話の制作も、商店街でのイベントも、その先に、次世代を担う青少年の育成を意識して取り組んでいます。

 

 

|働く 傍が楽すること

 

――これからの目標を教えてください。

 

何事も楽しむこと、人の役に立つこと。これが僕のモットーです。

働く(はたらく)とは、「傍(はた)が楽(らく)すること」やと思っています。自分だけが楽しむんやなくて、周囲が楽しくなることが大事。

 

自分の行動で周りが楽しくなる、それを見て自分も楽しいと思える。これが僕の理想。これからも、周りを楽しませながら、自身も楽しんでいきたいと思っています。

 

 

 

春季ふきあい美術展

3月21日(日)9:00~16:30

3月22日(月)9:00~20:30 

3月23日(火)9:00~20:30 

3月24日(水)9:00~20:30

 

葺合文化センター大会議室にて開催


ご来場の際は、感染防止のため、必ずマスクご着用をお願いいたします。

4つの講師主催レッスン作品と、葺合市場商店街連絡協議会による合同作品展です。

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・たのしい写真教室   

・たのしい書道教室

・手結び・着付け教室

・丸台組み紐 

特別出展:葺合市場商店街連絡協議会「ふきあいの民話」

①葺合市場商店街連絡協議会制作の「ふきあいの民話」の紙芝居原画

②葺合市場商店街連絡協議会 桑山会長へのインタビュー記事

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