神戸文化ホール開館50周年記念事業を終えるにあたり

神戸文化ホールの開館50周年を記念して3年に渡って繰り広げた全事業が2025年度末をもって終了いたしました。この間、大小あわせて23のステージや企画に、熱心に足を運んで下さいました市民のみなさまに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

私たちが2023年に満50歳を迎えた神戸文化ホールの記念事業を考え始めたのはコロナ禍が明け始めたころでした。感染拡大防止のためにお客様を迎えることがままならなかった緊急事態宣言から脱した解放感もあって、劇場の魅力、楽しさをお客様に思う存分、満喫してもらおうと、破格の3年企画になりました。

総合テーマは「Creating in Kobe 神戸で創る」。神戸文化ホールが培ってきた創意と知見、人間資源を最大限に活用して独自の企画制作を行い、神戸発の実演芸術として、市民に共感・共鳴していただけるような神戸文化の魅力を国内外へ広く発信したいとの思いを込めました。

さらに1年ごとにテーマを設定し、初年度は神戸ならではの「港町讃歌」、2年目はシェークスピア生誕460年にちなみ「劇場讃歌」、最終年度は戦後80年、阪神・淡路大震災30年の年として、生命の大切さを訴える「人間讃歌」としました。

振り返れば、この間、世界各地で燎原の火のように紛争が広がり、50周年事業は私たちの意図を超え、平和を希求する取り組みともなりました。文化芸術基本法の前文には「文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ」などと綴られた後、「世界の平和に寄与するものである」と謳っています。今回の記念事業が、新・神戸文化ホールなど未来に繋がる新しい神戸の劇場文化を開拓し、さらに平和を支える石積みのしっかりとした一つとなることを切望します。

公益財団法人神戸市民文化振興財団
理事長 服部孝司