理事長メッセージ

理事長メッセージ

神戸文化ホールは、1973(昭和48)年に開館し、おかげさまで本年50周年を迎えることができました。
開館以来、当ホールにお越し下さったお客さま、ご利用いただいた出演アーティストや関係者の皆さま、様々な形でホールを支えて下さったすべての皆さまに心より御礼申し上げます。

公益財団法人神戸市民文化振興財団は、1982(昭和57)年に財団法人として設立されて以来、当ホールの管理運営に携わっており、文化の担い手は市民であるという基本姿勢のもと、市民の皆さまの協力と参画を得て、多くの芸術文化事業を展開しています。
当ホールは、これまでの50年を神戸市の発展とともに歩む中で、神戸の文化振興の拠点として役割を果たしてきました。
1995(平成7)年の阪神・淡路大震災や、全世界で猛威を振るっている昨今の新型コロナウイルス感染症など、一時閉館を余儀なくされた厳しい状況の中でも、文化芸術の力で神戸を元気づけようと、様々な公演や企画に取り組んできました。

私たちが50周年のテーマに掲げた「Creating in Kobe 神戸で創る」との言葉には、劇場が有する創意と知見、人的資源を最大限に活用して独自の企画制作を行い、神戸発の実演芸術として、市民の皆さまに共感・共鳴していただけるような神戸文化の魅力を発信したいという思いが込められています。
それは当ホールがこの半世紀、市民の皆さまから寄せられてきた愛着や信頼にお応えすることであり、当ホールで生まれ、醸成された神戸文化を次代へ発展させることにつながると確信しているからです。

当ホールは施設の老朽化を受け、2027(令和9)年度以降、三宮に新・神戸文化ホールとして段階的に移転することが決まっています。
これからの劇場は、文化芸術を通じて人々が集い、交流する場所になることはもちろん、年齢や障がいの有無にかかわらず、あらゆる社会的状況の人々が気軽に文化芸術に触れられる機会を増やす工夫と努力が求められています。
また、市内で活動するアーティストを支援し、アートマネジメント人材を育てる場としての機能もますます重要になっています。
当財団としても社会包摂や人材育成など文化芸術の裾野を広げる試みに果敢にチャレンジしているところです。

50周年の節目を迎え、今後も市民の皆さまが集う場所として、また、文化芸術を愛する方々を惹きつけてやまない場所として成長していけるよう、財団一丸となって努力して参ります。
引き続き神戸文化ホールをご愛顧、ご支援賜りますようお願い申し上げます。

神戸市民文化振興財団理事長