今月の特集(目の不自由な方むけ) | 公益財団法人 神戸市民文化振興財団

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今月の特集(目の不自由な方むけ)

画家ゴッホはどうやって生まれたのか―
兵庫県立美術館「ゴッホ展」でその作風の成り立ちを知ろう

 

兵庫県立美術館 ゴッホ展

日時:1月25日(土曜日)~3月29日(日曜日)
休館:月曜 ※祝休日の場合は翌日
場所:同館(中央区脇浜海岸通1-1-1)
料金:一般1,700円、大学生1,300円、70歳以上850円、高校生以下無料
お問合せ:同館 電話:078-262-0901

学芸員の小野さんに聞く!!
画家ゴッホを生んだ“2つの出会い”

兵庫県立美術館で開催される「ゴッホ展」では、ハーグ派や印象派から影響を受けながら、ゴッホが独自の作風を確立させていく過程が作品を通して実感できる。同館学芸員の小野尚子さんによる、ゴッホについての解説も参考に鑑賞を深めよう。

ハーグ派で絵画の基礎、絵を描く姿勢を吸収

Q:ゴッホが最初に影響を受けたハーグ派。作品にどう生かされている?

A:まずゴッホは、ハーグ派から目的に従った画材の選び方やデッサンの仕方等、絵画の基礎を学びました。唯一の師といわれるマウフェは、モデルを見て描くこと、習作を重ねること、色彩の効果等を教え、ゴッホはこれらの教えを最後まで意識しながら作品を制作していました。

※ハーグ派とは 19世紀後半、オランダの都市ハーグを拠点に活動した画家グループ。田園地帯や海岸風景を詩情豊かに描き出した。マウフェはその中心的人物だった。

印象派の作風を取り入れながら独自の芸術を

Q:ゴッホが印象派に大きく影響を受けた点と、独自に発展させた点とは?

A:ゴッホは厳密にはポスト(後期)印象派に属し、印象派の影響を受けながらさらに独自の作風を展開しました。原色を用いタッチをはっきり残す描き方は印象派に習ったものですが、絵の具を厚く塗ることやうねるような筆遣いはゴッホ作品の特徴です。

※印象派とは 自然や事物から受ける印象をそのままに描写しようとする技法。モネ、ルノワールらに代表される。

Q:今展を通じて感じたゴッホ作品の魅力とは?

A:「孤高」「天才肌」といったイメージが強いゴッホですが、本来の姿は勉強熱心で努力家、周囲の画家から貪欲に学び取ろうとした真っすぐな人物だったことがよく分かりました。目にした対象物が内から発する美しさを描きたいという思いと独自の力強い線、さらにハーグ派や印象派を含む様々な先例から芸術上の要素を取り込んだ姿勢が生み出した、唯一無二の画風が魅力です。

Pick up CINEMA
ゴッホとヘレーネの森

ゴッホ作品の個人コレクターとして最大規模の約300点を収集し、美術館を建設、さらにコレクションをオランダ国家に寄贈した女性にスポットを当てたドキュメンタリー映画。彼女の目を通してゴッホの魅力を伝える。

日時:2月21日(金曜日)~
場所:シネ・リーブル神戸
   (中央区浪花町59 神戸朝日ビルディング地下1階・4階)
料金:一般1,800円、大学・専門学生1,500円、シニア1,200円、高校生以下1,000円
お問合せ:同館 電話:078-334-2126